ポイントはこうです:市場が注目するのは、単一の中央銀行の動きだけではありません。
本当の資金移動は、中央銀行が逆方向の政策を取ったときに起こります。
1. 政策の分岐とは何か
FRBが利上げ、ECBは慎重姿勢 → EUR/USD 下落
BOEが引き締め、RBAは緩和 → GBP/AUD 上昇
FRBが積極的、BOJはハト派 → USD/JPY 急騰
👉 トレーダーはこれを「政策の分岐(ダイバージェンス)」と呼び、数か月にわたるFXトレンドの原動力となります。
2. なぜ政策の分岐がトレンドを生むのか
通貨は相対的な資産である
もしすべての中央銀行が同時に引き締めれば、為替は動かない
政策の分岐 = 金利差の拡大 = 資本がある通貨から別の通貨へ大規模に移動
3. ケーススタディ:FRB vs 日銀(2022~2023年)
FRB:積極的に利上げ(政策金利 ほぼ0% → 5.25%)
日銀:超緩和政策を維持、10年債利回りは約0.25%で上限設定
結果:USD/JPYは約115から150超へ急騰 ― 最近でも屈指の明確なダイバージェンス取引の一例
4. トレーダーはダイバージェンスをどう早期に見抜くか
イールドカーブのギャップ: 国ごとの2年債や10年債のスプレッドをチェック
フォワードガイダンスの文言: 片方の中央銀行が利上げを示唆し、もう片方がハト派か?
市場の価格付け: 先物カーブ(フェッドファンド金利、OIS)が、どの程度のダイバージェンスが織り込まれているかを示す
5. 取引における優位性の活かし方
経験豊富なトレーダーは知っています:
ダイバージェンスによるトレンドは数か月、場合によっては数年続く
押し目はエントリーポイントであり、反転のサインではない(政策が再び収束するまでは)
通貨ペアの選定が重要:単にドルを買うのではなく、最も弱い中央銀行の通貨に対して買う
次回のテーマ:明日はこのミニシリーズを締めくくり、週次の総括として取引セットアップをまとめます――理論から実際のポジショニングへの移行方法をお見せします。